福沢諭吉が残した“理想のリーダー像”についての有名な一節

「思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓の身体をもってして、初めて実業社会の大人たるべし」


一番目、思想は、哲学者のように「深く」

日々の判断は、目の前の状況に引っ張られる。だからこそ、判断の芯になる考え方が要る。
何のために商いをするのか。誰を幸せにしたいのか。自分たちは何を「なすのか」又、「しない」のか。
この深さがないと、忙しさに流されて、会社はだんだん薄っぺらくなっていくのではないか。

二番目、心根は、元禄武士のように「純粋で気高く」

いくら立派な言葉を言っても、リーダーの姿勢が透けて見えるようではいけない。
ごまかさない。約束を守る。嘘をつかない。人を粗末に扱わない。
経営は、強さよりも、信用の積み重ねで長く続く。ここが揺らぐと全てが崩れる。

三番目、才覚は、あえて小俗吏のように「抜け目なく」

この部分は、非常にリアルだ。清廉なだけでは、商売にならない。
段取り、根回し、交渉、算盤、書類、制度、物流、相手の都合など、
きちんと処理する能力がいる。
したたかさを持ち合わさなければならない。

四番目、身体は、土百姓のように「頑健」

最後が身体、というのが本質的。理想も正義も才能も、身体が持たなければ続けられない。
経営は、短距離走ではなく長距離走。繁忙期も、不測のトラブルも、重たい意思決定も、
全部“体力”が土台になる、つまり健康でなければならない。
よく寝て、よく食べ、よく動く。経営者の健康管理は、趣味ではなく職務になる。

哲学者の深さ、武士の純粋さ、小俗吏の才覚、百姓の体力。
この“四つの顔”を、全部そろえろと言うが、実に厳しい。
でも、だからこそ道標になるんだね。

私自身、どれもまだまだ。
思想が浅くなる日もある。急いで心が荒れる日もある。詰めが甘い日もある。
身体が先に音を上げそうな日もある。
それでも、この言葉を時々思い出して、少しずつでも“実業社会の大人”に近づけたらと思う。


大東寝具工業 大東利幸

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