


100年のやすらぎ、藍にゆらぐ
大東寝具工業は1925年の創業以来、京都・伏見の地で「眠りの質」にこだわり続けてきました。創業100周年を機に、次の100年へと受け継がれる特別な一着をとの想いから歩みを進め、そのご縁で出会ったのが〈染司よしおか〉です。
江戸末期・文化年間に創業し、200年余の歴史を持つ〈染司よしおか〉の6代目・吉岡更紗氏が受け継ぐ植物染めの技は、化学染料を一切使わず、自然の恵みをそのまま色に映し出すもの。とりわけ「藍色」は、古来より日本人の生活に寄り添い、暮らしを彩ってきた伝統色であり、江戸時代には「ジャパンブルー」と称され、世界からも日本を象徴する色として親しまれてきました。また“心を鎮め、安らぎをもたらす色”とされ、眠りに寄り添うにふさわしい色合いとして、選びました。
化学染料を使わず、草木でゆっくりと染め上げられたガーゼ生地は、使い込むほどにやわらかさと色の深みを増し、肌にやさしい。この風合いを最大限に生かすため、大東寝具の職人が1枚1枚丁寧に縫製し、特別な京和晒綿紗ガーゼパジャマとして仕立てました。
100年の眠りと、200年の色。
京都の伝統が重なり合い、時を超えて肌に寄り添う。
そんな想いを込めた特別な1着となりました。



今回パジャマを染め上げるのに吉岡更紗さんと一緒に選んだ色は「藍(あい)」。
古くから「染め」といえば藍を指すほど、世界中で親しまれてきた色であり、日本でも江戸時代から現代に至るまで長く愛され続けています。



染司よしおかは、染めに使用する水は地下からくみ上げた伏見水を使っています。染めムラが出ないように何度も時間をかけて、染め工程を繰り返して、美しい藍色に染め上がります。



藍は他の色とは異なり、その美しさを引き出すまでに多くの工程と時間が必要です。
藍の葉の栽培から始まり、染料となる原料づくり、そして染めの工程に至るまで ── 藍農家、藍師、染屋の職人たちが手間と時間を惜しまず、一つひとつ丁寧に仕上げています。

美しい藍色のもととなる蓼藍(たであい)の葉は、徳島県で栽培されています。徳島の藍は「阿波藍(あわあい)」として知られ、江戸時代には全国有数の産地として発展しました。肥沃な土壌と藍の育成に適した気候風土に恵まれた徳島では、現在もその伝統を受け継ぎ、蓼藍の栽培が続けられています。



蓼藍の葉は、藍師の手によって「寝せ込み」や「切り返し」といった工程を繰り返しながら、約100日かけてじっくりと発酵し、やがて藍染めの原料となる「すくも」となります。



藍染の生地には天然素材である綿を使用し、繊維に負担をかけずに油分や不純物を丁寧に取り除く「和晒製法」で仕上げた京和晒綿紗ガーゼは、すべての製造工程を国内で行っています。薄くてやわらかなガーゼは縫製にも高い技術が求められるため、機械による大量生産ではなく、熟練の職人が一つひとつ手作業で縫い上げています。



染織家・吉岡更紗さんが、古来より伝わる染色技法と長年の経験をもとに、植物染料を用いて1枚1枚を丁寧に、何度も染液に浸しながら、ゆっくりと時間をかけて染め上げていきます。





使うほどに「藍」の風合いが深まり、やがて色が褪せても終わりではありません。もう一度 染め直すことで、新たな表情をまといながら、長く、そして大切に着続けていただけます。
“藍を育てるように纏う” サステナブルな一着です(染め直しは有料です)。




吉岡 更紗(よしおかさらさ)
染織家「染司よしおか」6代目当主。京都府生まれ。
大学卒業後「イッセイミヤケ」で販売員として勤務した後、愛媛県の⻄予市野村シルク博物館で染織技術を学ぶ。2008年、江戸時代から約200年続く「染司よしおか」に戻り、5代目の父・吉岡幸雄のもと染織の仕事に就く。2019年、父の急逝に伴い6代目に就任。近年ではテレビ番組『情熱大陸』に取り上げられるなど、その活動にさらに注目が集まっている。


染司よしおか ウェブサイト
https://www.textiles-yoshioka.com/
2025年8月28日 直営店「ねむりの蔵」各店舗・公式オンラインストアにて販売開始
※ 大東寝具工業オンラインストア楽天市場店は、諸事情により現在販売を見合わせております。













